2020年12月08日
見ていて一つおかしいなと感じたことはありました。隣の大国での不良債権の処理の速度が速すぎることです。経済的にいろいろと問題が起こっても、今月は何十件もの不良債権を処理したので大丈夫、といった内容でした。独裁国家ゆえの決断の速さかなと思っていましたが、それにしても速度が速すぎる。そうです、よく考えてみれば通貨発行権を存分に使っての処理だったことが、今にしてみれば分かるというものです。
そう考えてみると、いったい我が国は何をやっているのでしょうか。二十年前に不良債権の問題が表面化していた時には、どうすればよいのか分からず大変だったことは分かります。隣国はそのことをしっかりと学習していて、秒というくらい一瞬の速さで処理をしたと想像がつきます。これでは、我が国のスピード感と比べて次元が違っていると言われても仕方がありません。
崩壊論が出ていて、皆本当はそれを静かに望んでいる人もいるかもしれませんが、その可能性はかなり低いというのが私の考えです。現代貨幣理論をある意味実践しているところがあり、人口も桁違いに多く購買意欲などもかなり強いものがあるからです。一つ気になるのはドルペッグ制を採用しているので、経済的に依存や偏りがある国が急激な通貨高や通貨安になった時の望まぬ方向への通貨変動によっての経済的ダメージでしょうか。私も詳しく勉強していかなければ、まだ分からない部分でもあります。
我が国のように変動相場制をとっている場合には、そのようなリスクは考えられるでしょうか。リスクはないということですが、私に分かることは通貨の変動が常時見て取れるならば、その都度修正はかけやすいとは思えるのです。また、通貨が変動しようとも、大震災の時には七十円台になり、通貨が安かった頃には国際競争力があったことを考えると、通貨変動への対応はある程度はできるのではないでしょうか。だとすれば、通貨発行権を積極的に使い、国が豊かになるような政策を実行する方が得るものが大きいと判断することはできないかと思っています。残念なことに、お隣の大国は経済においても見習わなければならない存在となってしまっているのです。日本が経済大国だったのは、ずっと過去のこととなっているように思っています。